「浦戸湾・色彩計画」
色彩から考えるみなとまちづくり−「浦戸湾・色彩計画」

 

浦戸湾は私たちの貴重な財産

高知港・浦戸湾は、「人や物資の物流拠点」「漁業・レジャー基地」「生産活動」や「美しい自然景観」など、様々な役割を担った地区から成り立っています。浦戸湾は産業の活動拠点と美しい自然環境が一体となった全国的にも珍しい地域であり、私たちの貴重な財産でもあります。

 

色彩を活用した美しい景観づくり

特定非営利活動法人高知NPO・浦戸湾みらい会議「浦戸湾・色彩計画専門部会」では、平成13年8月より色彩の面から浦戸湾の風景を見つめ、自然景観と調和した美しく親しみのある空間づくりを考えてきました。

この「浦戸湾・色彩計画」は、美しさやにぎわいなどを演出するとともに、次世代にこの景観を残していく方法として重要な役割を果たしてくれると期待します。

 

企業・市民参加の「浦戸湾・色彩計画」を目指して

 

分かりやすい計画づくりと広報活動

平成17年2月、市民・企業・行政及び専門家で構成する「浦戸湾・色彩計画策定協議会」を発足させ、みんなに分かりやすい「浦戸湾・色彩計画」づくりとその必要性や重要性を周辺企業や市民のみなさまに広報していく活動などを進めています。

 

全員参加でみんなに愛される景観づくり

本協議会では、「個性と魅力あるみなとまちづくり」「誇りを持てる地域づくり」を念頭に、色彩から見た景観づくりを進め、浦戸湾らしい景観、各ゾーンの特性に応じた景観、メリハリのある景観などを市民・企業・行政及び専門家が力を合わせてつくり上げ、みんなに愛され次世代に受け継がれる景観づくりを目指します。

 

ゾーンの特徴を活かした色彩計画の実施

 

現状調査に基づいたゾーン分けと目標や方針の設定

「浦戸湾・色彩計画」では、浦戸湾周辺での土地利用形態などの現状調査をもとに地域の特性に合わせてゾーンを分け、そのゾーンごとの目標や方針を以下のように提案します。

 

 

浦戸湾 ゾーン別色彩計画

統一感とゾーンの特性を演出する色づかい

この計画は、調和の取れた浦戸湾らしい景観づくりのために、統一感を示すシンボルカラーやゾーンごとにその特性を演出するベースカラーアクセントカラー及びアクセサリーカラーを提案します。そして、市民や企業の合意を得ながら進めていきます。

シンボルカラー
浦戸湾の色彩に統一感を持たせるために、建造物等すべてに共通して用いている色。
ベースカラー

風景の基調となる色で、外壁や屋根など建物の外観の広い面積に用いる色。
アクセントカラー
線や点などとして比較的小さい面積に用い、全体を引き締める効果のある彩度の高い目立つ色。
シンボルカラー
企業独自のカラーやロゴマークなど、アクセントカラーよりも狭い面積に用いて、アイデンティティを表現するための色。

   

シンボルカラーはを採用しました

●色相(5B〜10B)

●明度(2〜4)

●彩度(6〜8)

Q: なぜシンボルカラーを『青』にしたの?

A: 青の持つ特性と浦戸湾の持つ特徴、市民の意見などをもとに決めました。

  美しい自然環境を多く残した浦戸湾のイメージとして青い海や青い空が似合います。

  青は組み合わせによって様々な配色が可能で色彩に幅を持たせることができます。

  浦戸湾周辺の建造物では、青をアクセントに用いているものが多く、市民にとっても馴染みやすい色といえます。 

  平成14年に実施した市民アンケート調査でも、青が最も多くの市民の支持を得ました。

色の表し方

 

色の代表的な表わし方として、色相・明度及び彩度を用いる方法があります。色相は赤・青・黄等の色味、明度は明るさの度合い、彩度は鮮やかさの度合いを示します。これらを色の三属性といいます。

 

色相 Hur  赤・青・黄等の色味の種類
色合いそのものをさす。
明度 Value  色の明るさの度合い
高いほど白に近く、低いほど黒に近づく。
彩度 Chroma 色の鮮やかさの度合い
高いほど、殉職(原色)に近く鮮やかで、無彩色(白・黒・灰)が混ざるほど低い。

マンセル表色系による色彩の表わし方

  色相・明度・彩度の三属性を尺度化して、下記のように色を表わします。

      (例)

5Y 9/6 の場合
色  相

明  度

彩  度

 

 

 

 

5Y

 

 

 

 

 

これまでの「浦戸湾・色彩計画」のあゆみ

 

平成12年度 高知NPO「浦戸湾みらい会議」発足
平成13年度 色彩に関する勉強会、調査を開始
平成14年度 「浦戸湾・色彩計画専門部会」として本格的に活動開始
◆市民・企業アンケート実施、色彩講演会開催
◆高知県高知港事務所外壁の色彩提案
平成15年度 ◆浦戸湾の現況調査、ワークショップ開催
◆先進地視察(横浜市、清水港)
◆四国ガス轄rm工場ガスホルダーの色彩提案 (第20回高知市都市美デザイン賞テーマ部門入賞)
◆高知県所有リーチスタッカの色彩提案
平成16年度 ◆「浦戸湾・色彩計画」の原案作成
◆色彩ハンドブック作成
◆ワークショップ、勉強会開催
◆高知港運会館の色彩提案 「浦戸湾・色彩計画策定協議会」発足
平成17年度 ◆四国ガス轄rm支店桟橋事務所ガスホルダーの色彩提案 ●色彩リーフレット作成
●企業・官公署アンケート実施

 

あすの「浦戸湾・色彩計画」のしくみづくり 

将来は、現在の「浦戸湾・色彩計画策定協議会」を発展させた「浦戸湾・色彩計画運営協議会」を中心とした浦戸湾全体で整合性のある色彩計画運営を目指します。この運営協議会は、市民、企業、行政及び専門家で構成され、塗り替え等の事案ごとに計画を評価し必要な提案を企業等に行うための中立機関と位置づけます。そのために、新築や塗り替えの際に企業等から運営協議会に情報が提供されるしくみをつくりたいと考えます。

また、アドバイザリー会議は建築士・デザイナーなど色彩設計に直接関わる専門家で構成され、運営協議会からの要請に基づいてより専門的な見地から色彩検討し運営協議会に報告する役割を果たします。

この色彩計画を実現性・納得性の高いものにしていくために、アンケート調査やワークショップ、シンポジウムなどの広報・啓発活動を進め、市民や企業から理解と協力の得られる努力を続けます。ぜひ積極的な参加をお待ちしています。

みなさんも一緒に色彩計画を考えませんか。

 

「浦戸湾・色彩計画策定協議会」メンバーリスト (平成17年10月現在)

 

重山  陽一郎

高知工科大学工学部 社会システム 工学科

委 員

千頭  邦夫

土佐経済同友会

副会長

中山  健市

高知港振興協会

細木  美津

潮江地区コミュニティ計画推進市民会議潮江南小学校校区ブロック会

 

石元  孝博

高知埠頭株式会社

安岡 

高知県港湾空港局港湾課

岡田  法生

高知市まちづくり未来塾

横田  栄一

(社)高知県塗装工業会

樫尾  道春

高知県土木部都市整備課

吉村  文次

特定非営利活動法人高知NPO

狩野  信児

高知県広告美術協同組合

山ア  隆正

高知NPO・浦戸湾みらい会議              「浦戸湾・色彩計画専門部会」

神ア  健史

(社)高知県建築士会           まちづくり研究会 

オブ ザーバー

土居 静穂

高知市都市整備部

菅沼  史典

国土交通省高知港湾・空港整備事務所

佐伯 和男

高知県高知港事務所